O君来る

メキシコに長く住んでいるO君がイタリアに来ました。私はこのO君の奥さんのTちゃんと幼馴染で、2人がヨーロッパを旅行したいというのでミラノの我が家を拠点として使ったらと提案したら、即答でお願いしますということで随分と久しぶりの再会となりました。

あちらこちらに行って楽しまれたようで良かったです。私はメキシコに一度も行ったことがないので、現地での生活や文化について教えてもらいました(タコスを食べに行きたくなった!)。あと、コロナビールって、日本でもイタリアでもちょっとした洒落た舶来物の麦酒のイメージがありますが、メキシコの中では単なる薄いビールとしてしか認知されていないという話は面白かったです。そう言えばイタリアだって、FIATは普通の大衆車の位置づけですが、日本とかだとちょっと外車で特別感が出ますもんね。

何よりも興味深かったのが、O君の物の考え方です。私はある現象に直面した時、昔からあーだこーだと頭の中で考えてそれを説明しようと努力してそれを文章化したり、それなりに納得できる形で論理性を持たせてまとめようとしたりするのですが、一方でO君はむちゃくちゃあっけらかんとしており、「僕はあまり気にならないね」と私の説明を一蹴するようなコメントをしてくるのです。しかもポジティブなトーンで。

何も考えていない人と言うわけではなく、物事を楽観的に認知するというのでしょうか。話をしていて「ははー。こういう考え方もあるのか。これはいいな」と爽やかさを感じました。なにせ基本的に機嫌が良くて楽しそうなんです。今の私だって普通は悩みすぎずに楽天的に考える傾向にありますが、O君はレベルが違いましたねー。

「知的な生き方」とか「知の巨人」とか言ったりして、インテリジェンスがある事がさも人間としての価値を測る大切な基準の一つのように感じていたものですが、それには鋭さや厳しさが伴ってくることが避けられない。で、私はその冷たさにちょっと嫌気が指していたのですね。

ニコニコしているO君夫妻を見ていると全然違う考え方をすることってできるんだなと清々しさを覚えました。メキシコってそんな感じなのかしら!

山根 力