ミラノに住む友人のB氏の家にお昼ごはんに呼ばれて喜んで伺うことにしました。B氏の家はマンションの4階。築50年は経過しているでしょう。
4階だからということで、5人で一緒にエレベーターに乗りました。このエレベーターの形というかシステムは日本には無いため形容するのが難しいのですが、箱と言っておけばなんとなく伝わると思います。
小さめのエレベータでしたが、みんな入ることができました。扉を締めて(自分でガチャンと閉じる)、行き先階である4をプッシュ。
動き始めましたが、なんだかエレベーターが苦しそうです。グウーンと唸って、上昇しているのだかしていないのだかわからない。「ひょっとして重すぎたりして」なんて冗談を言って笑っていたのですが、あら本当に、もう一度低い音でウイーンと言ったっきり静止してしまいました。
他の階のボタンを押したりSTOPボタンを連打したりしてみたのですが、うんともすんとも言いません。完全に停止してしまったのです!
焦らず私はそこに住むB氏に電話して「どうやら閉じ込められてしまったみたいなんだよね」と言いました。彼はとてもいい人で普段は冗談ばかり言っているのですがその時はさすがに焦ったようで、早口で「すぐにエレベーター技師を呼ぶから待ってて!」と言ってくれました。その日はイタリアの祭日だったのですが15分ほどで駆けつけられるとのこと。すぐやん。ほっとしました。
さてエレベーター内部に残された我々5人。小さい箱ですから座ることもできず、立ったまま。一番年齢が上のデリア女史が面白いことばかりつぶやくものだからみんな笑っていたのですが、科学的発想を忘れていない(えっへん)私の頭をよぎったのは「酸素は大丈夫か?」ということでした。
このエレベーターは密閉されているわけではないけれど、あまり隙間も無いようです。息が苦しくなってきたらどうしよう。なんて思ってしまったのです。しかし今は2025年。手のひらにはChatGPTがあるではないか。ということで調べてみました。「ミラノで古いエレベーターに閉じ込められた。窒息する可能性は?」 なんと恐ろしい内容の検索なのでしょうか。答え「酸素が足りなくなることはあり得ません。隙間は十分に存在してるはずです。現にそんなニュースはきいたためしがありません。むしろパニックにならないように、また、待ち時間が長く感じられようにおしゃべりを続けるのがベスト」。でした。良かったー。
30分ほど待って技術者が到着し、「すぐ出してあげるからね!」と言ってくれました。なんと頼もしいのでしょう。ヒーローとは彼のことを言うのです。3分程度経過した後、ガタン、ガタン、と動きを感じました。どうやら上からケーブルを緩めてエレベーターを下におろしてくれているようです。ガタ、ガタ!「はい、降りていいよ!」と叫ぶ声が聴こえたのでエレベーターのドアノブを回すと無事に開き、地上階から外にでることができました。
はあー助かった。これで私の人生において「エレベーターに閉じ込められたことがある」という経験が一つ追加されました。
なぜ停止したのか。それは、、、このエレベーターは実は4人乗りで、私が入って5人になってしまって定員オーバーだったのです。はい。私のせいでした。すみませんでした。
その後はさすがに階段で4階まで登りB氏の家におじゃましました。みんなでほっとしていると料理を作ってくれている奥さんが「大変だったね、でも料理に少し時間がかかりそうだったから、ゆっくり遅れてきてくれてちょうど良かった!」と言ったので、みんなで大笑いしました。南米料理で、めちゃくちゃ美味しかったです。皆様もエレベーターの重量オーバーにはお気をつけ下さいね。
本日のメモ:エレベーターに閉じ込められても酸素が無くなることはない。
山根
