「ドローン騒ぎ」

「みなさま、当機は最終着陸態勢に入っております」

仕事柄ヨーロッパとアジアを行き来することが少なくないのですが、今回私はミラノ→パリ→関空というルートで移動しました。

いよいよ関空に着陸、という直前に再度アナウンスが。「えー、こちららは機長です。理由は不明ですが管制官より空港が封鎖となった旨の連絡があったため、当機は中部国際空港に移動します」

理由不明で空港閉鎖? キャビンアテンダントさんも「いやー大変珍しいことです。私もこんなこと経験がありません。地震とかでなければいいのですが…」と。

最近の日本は多くの災害に見舞われているので確かに地震が起きてもおかしくは無いな〜。と思っているとすぐに中部国際空港に到着。さすが飛行機だと大阪→名古屋があっと言う間。

中部国際空港では降機することが許されず、滑走路付近で止まったまま機内で2時間待ちました。その間に紅茶が振る舞われましたが、燃料補給に手間取ったために予想以上に時間がかかったようです。しばらくして「機長です。関空が再び使用可能になったということですので、関空に戻ります」

再び離陸し、最終的には3時間ほど遅れて関空に到着しました。そこでなぜ滑走路が使えなかったのかがわかりました。滑走路付近でドローンが飛んでいるのが発見されたそうです。

小さなドローンひとつで安全が脅かされるのですね。仕方が無いことですが、おかげで私は台湾への乗り継ぎ便を逃してしまいました! …が、一つ後の便に振り替えていただいたので事なきを得ました。

旅行や移動をしていると色々とハプニングがあるものですが、基本的に「怪我や事故がなかったら良しとする!」と考えているおかげであまりストレスを感じずにすんでいます。機内で周囲の皆様がすこぶる落ち着いておられたのには感銘を受けました。イタリア人と違って(?)ワーワー言わないのですね。

ドローンを飛ばした犯人はわからずじまいのようです。困るなー。

(山根 力)