フィリッポとのサイクリング

珍しくフィリピン人のフィリッポからメッセージが来ました。「次の月曜日空いてる? サイクリングに行かない?」

私は基本的に一人でサイクリングをするのが好きなのですが、フィリッポとなれば話は別です。以前にスイスのサンゴッタルド峠を一緒に登りに行って楽しんだ思い出が蘇ってきました。もう6年前のことです。

当時フィリッポは20代でしたが、普段から自転車に乗っていなかったのでゆっくりゆっくりと峠を一生懸命に登り、もう少し強かった私は彼のスピードに合わせて待ってあげながら景色を楽しんだのでした。

「あのさ月曜日はミラノからギザッロまで行こうよ」と彼は言うのですが、ギザッロの前の上りは長くてきついってこと、わかってるんか、フィリッポ。と思いました。ちなみにギザッロというのはロードバイクに乗る人であればどこのことかわかるくらいの有名な場所です。

当日の朝。現れしはあの頃のフィリッポではなく、すっきり痩せた青年がそこにいた。お、かっこええやん、きまってるやんフィリッポ! 一緒に乗り始めたら、速いのなんの。私は平然を装いながらもふーふー言いました。

6年前のあれからフィリッポは自転車にハマり、定期的に乗り、何台もロードバイクを乗り換えてきたそうです。「サンゴッタルド峠では待ちながら走ってくれてお世話になったなぁ。あの時は嬉しかったなぁ」と言ってくれるのですが、慰めにはなりません。

ギザッロの上りで遅れる私を待とうとするフィリッポに私は、「僕は自分のペースで進むから先に行ってくれ!」と、ドラマチックなセリフを吐きながら嬉しい気持ちになりました。成長したな。。。フィリッポ。(それか僕が弱くなり過ぎただけかしら!)

たまには人とサイクリングするのもいいですね。愉快な一日を過ごしました!

山根 力