Zoom結婚式司会

ねえ、結婚披露宴の司会をしてくれないかな。長くイタリアに住んで今は日本に戻った友人のA氏からメッセージが届きました。

彼は私とほぼ同い年ですが、良いお相手が見つかり結婚することになったのです。本当におめでとうございます。披露宴をするといってもこのコロナウイルスが猛威を振るっている状況ですからね。

すなわちZoomで行われる、と。よって出席者の反応がリアルタイムではほとんどわからない。
Zoomの良さを生かして日本人とイタリア人が合計200名ほど出席する、と。よって両方の言葉で司会する必要がある。

できへんわ、無理やん!
。。。と言いたくなる気持ちをぐっとこらえて、私は二つ返事で『いいともさ』と引き受けました。親友A氏のお願いを断ることなんぞ誰ができるでしょうか?

こんな特殊な状況でも工夫次第では楽しくて心温まる結婚披露宴を行うことができるはずです。そうだ、これまでに何度かZoomでの結婚式やパーティーのようなものに出席して気づいたことを反映させよう。うーんうーんと考えて意識したのは以下の点です。

● 司会者として、思い切り明るく楽しく話す。イタリア的なテンションで。
● イタリア語と日本語は適当に切り替えれば良い。
● 原稿を細かく書かない。あくまでも一人一人と会話しているように。
● Zoomだと出席者が画面の前で単に鑑賞するだけで参加している意識が薄くなるので、コメント機能を使って参加者に好きなことを書いてもらう。
● 全体的にテンポよく進める。

さて本番の時到来。ドキドキ。私は一生懸命に頑張りましたよ! 結果的に新郎新婦は満足し(これが一番大切です)、ご親族も喜ばれ、日本の友人もイタリアの友人も感動したと連絡をもらいました。実は私も楽しんでしまいました。

なにより良かったのはコメント機能。リアルタイムで読んでトークに含めることもできましたし、最後には1時間15分の間にみんなが書いてくれたコメントをまとめてダウンロードして、A氏にハイっとプレゼントできました。日本語とイタリア語が混ざっていますがライブ感があり、これは思い出になる!

Zoomだったからこそ普通では信じられないほどの多くの人が出席し、2つの国をリアルタイムで接続して時間を共有するということが実現できたのです。

終わってから何人かに、職業をMCに変えたら? と言われました。なんでやねん〜。

(山根 力)