バカンス:ガラガラのミラノ

バカンス…という言葉自体は日本にもあると思うのですが、イタリアのバカンス(イタリア語だとヴァカンツァ)は本気です。

8月の半ばのちょうど今頃、イタリアはバカンスの真っ最中です。何が起きるかと言うと驚くことなかれ、人々がミラノから姿を消すのです。例えば東京が真っ昼間からガラーンとしているところなんて想像できないと思うのですが実際にそうなっているのです。

一体全体みんなはどこに行ってしまったのでしょうか。行き先の多くはイタリア国内の山か海か実家です。

山…ドロミテをはじめとするアルプスなど。街より気温が低いので避暑を楽しむ。
海…イタリアは半島なのでどこからも海が近い。そしてイタリア人は海で日焼けするのが好き。
実家…東京みたいに、ミラノに住んでいる人は地方出身の人が多い。大好きな家族に会いに避暑を兼ねてGo!

ミラノは中心地区を除いて大部分のお店が閉まり、活動停止状態になっています。多くの企業も完全にオフになっているか、非常にゆっくりとしか働いていないという状況です。

私はこのようにガラガラになったミラノが好きで楽しんでいるのですが、イタリア人の友人には「バカンスに行かないの?」と不安がられています。半ば強制的にバカンスに行かないと悪いみたいな空気があるんですねー。開いているジェラテリアを探してジェラートでも食べます。ガラガラのミラノでジェラートをいただく。これが夏の風物詩です。

そういうわけで通訳の仕事もヨーロッパに限っていえば8月は一息つく感じ。と、思ったらバカンス開けの9月の予約が入り始めましたよ!

(山根 力)