とりえあず進む

日本政府の観光支援策である「GoToトラベル」事業、この表現が英文法ミスではないかという指摘があるそうです。政府の説明としては「伝わりやすさを重視した」と。文法的に間違っているのは好ましいとは言えませんが、何もこのようなキャッチフレーズに目くじらを立てなくても、とも思ってしまいます。じゃあサプリの会社として成功している「ブルーベリーアイのわかさ生活」なんて文法としてどうなってしまうんでしょう。笑

でも細かなミスでも気がついたらつい修正したくなる気持ちってありますよね。わかります。で、こんな出来事が。

数日前、埼玉にいるE氏と電話で話をしました。彼は一年前にバカンスでイタリアに来たのですが、その時に頑張って使っていたイタリア語の表現をまだ覚えているよ、と声に出して言ってくれました。

そのイタリア語の表現は厳密に言えば文法的に正確ではありませんでしたが、十分に通じる。なので私は「ワオいいねえ!」と褒めました。

するとE氏は 「いやあありがとう! 前から思っていたんだけど、山根君は僕が間違ったとき、それを指摘しないんだよね。いつも良いですねえ! うまい! とか言ってくれる。これ本当嬉しいよ」

きいてみると、初心者のE氏がこれまで英語や他の言語を勉強したときには、口に出して言ったフレーズが少しでも間違っていようものなら先生に逐一直されてきたそうです。

正確であるのは大切だけど、新しい言語を使ってみようとするとき、細かいところを気にしすぎると続けたいと思う気持ちがどんどん失われるんじゃあないでしょうか。だいたい通じるでOKとし、出発点とするのがいい。

例えばスノボを始めたとき、最初は絶対に転びますよね。何度も失敗しながら徐々にうまくなっていく。諦めなければ最終的には自由に滑れるようになってゆく。完璧からスタートする必要はないし、そもそも無理。言葉の習得もそういう風にみなすと、楽しくできるんじゃないかなー。

プロのレベルであれば話は別ですが、そうでなければ少々のことは否定せずどんどん前に進む。色々なことでこういう風にやりたいものです!

(山根 力)